「メンズギャル」というワードを耳にした際、2000年代初頭に一世を風靡した雑誌『men's egg(メンズエッグ)』系のギャル男カルチャーを想起する人は少なくありません。しかし、当時のムーブメントと現在進行形のトレンドを比較すると、その根底にある思想やアプローチには決定的な断絶が存在します。
平成のギャル男文化は、日焼けサロンで焼いた黒肌、毛先を遊ばせたウルフカット(通称・スジ盛り)、シルバーアクセサリーを重ねづけしたスタイルが基本であり、根底には「異性にモテるためのマスキュリニティ(男らしさ)の誇示」がありました。当時のトップモデルたちが誌面で発信していたスタイルは、ストリートでのナンパやクラブカルチャーと密接に結びついていたのです。
一方、令和のメンズギャルは他者からの視線よりも「自分が最高に盛れているか」を最重要視します。K-POPカルチャーの浸透によって男性のメイクに対する心理的ハードルが消失したこと、さらに2000年代初頭のスタイルを再解釈するY2Kメンズファッションの世界的な流行が合流した結果、「他人の目を気にせず、好きな装いを貫くスタイル」として再定義されました。
現在、かつて『men's egg』で伝説的な人気を誇ったレジェンドモデルたちも、実業家やアパレルプロデューサーとして活躍する傍ら、YouTubeなどで令和のメンズギャルたちとコラボレーションを実施。「自分たちの時代よりも遥かに美意識が高く、カルチャーとして洗練されている」と太鼓判を押すなど、世代を超えたリスペクトの輪が広がっています。