芳賀書店の歩みは、昭和初期の1936年(昭和11年)に遡ります。神田神保町に古書店として創業して以来、戦後の映画・演劇ブームの波に乗り、映画関連の専門古書店として確固たる地位を築き上げました。
単なる書籍の販売にとどまらず、自社で本格的な出版事業を展開した点が芳賀書店の最大の独自性です。特に映画愛好家から絶賛を浴びたのが「シネアルバム」をはじめとする芳賀書店 映画文庫シリーズでした。世界各国の名作映画のスチール写真、詳細なバイオグラフィー、充実したフィルモグラフィーを一冊に凝縮したこれらの書籍は、インターネットが存在しなかった時代において、映画ファンや映像関係者にとってのバイブルとなりました。
さらに1970年代から1980年代にかけては、往年の大女優から人気アイドルまでを網羅した高品質な写真集を次々と刊行。大胆な構図と美麗な印刷クオリティで写真界にも強烈なインパクトを与え、日本のサブカルチャー出版の牽引役として語り継がれることになります。