一般的な大学教授になるためには、大学院の博士課程を修了して博士号(Ph.D.)を取得し、査読付き論文を何本も執筆して国内外の学会で実績を積むという、極めて過酷なステップが必須条件とされます。
ところが、客員教授に関しては、学歴や博士号の有無は法的な必須要件ではありません。最終学歴が高卒や大学中退であっても、客員教授に就任することは制度上完全に可能です。
文部科学省の「大学設置基準第14条〜第17条」には、教員の資格基準が定められています。そこには「博士の学位を有する者」「研究上の業績を有する者」といった学術的基準のほかに、「専任教授に準ずる高度の専門的な知識及び経験を有し、教育研究上の能力があると認められる者」という規定が存在します。さらに各大学が定める「客員教授選考規程」などの内部ルールによって、以下のような要件が定められています。
・国、地方自治体、国際機関等において顕著な功績を挙げた者
・産業界において優れた経営手腕や先進的な技術開発実績を持つ者
・芸術、文化、スポーツ等の分野において国内外で高い評価を得ている者
・その他、学部・研究科が教育上特に有益と認めた者
選考プロセスとしては、関係する学部の専任教員や学部長が候補者を推薦し、教授会での審議を経て、最終的に学長や理事長が委嘱を決定します。契約期間は単年度(1年契約)が原則で、双方が合意すれば数年間にわたって更新されますが、大学側の経営方針の変更や改組によって任期満了とともに静かに契約が終了するケースも珍しくありません。