2022年の関東エリアにおける花火大会は、主催自治体や実行委員会の判断によって完全に明暗が分かれる結果となりました。隅田川花火大会の中止理由として公式発表されたのは、例年約100万人規模が狭小路地に密集する下町エリアにおいて、ソーシャルディスタンスの確保や一方通行規制などの感染・雑踏安全対策を講じることが極めて困難だった点です。春先の段階で警備体制の再構築が間に合わないと判断され、3年連続の見送りが決定しました。
同様に足立の花火大会の開催経緯においても、荒川河川敷という広大な敷地でありながら最寄り駅(北千住駅・小菅駅など)周辺のボトルネック解消が困難であるとされ、安全面を最優先に中止が発表されました。また、葛飾納涼花火大会の開催状況についても、秋口への延期模索を含めて協議が重ねられたものの、最終的に来場者の安全確保を担保できないとして見送りの決断が下されました。
その一方で、民間主導やスタジアム型の管理が可能なイベントは力強く再開へ舵を切りました。「神宮外苑花火大会」や千葉市の「幕張ビーチ花火フェスタ」は、入場ゲートでの厳密な検温・消毒および全席指定席化を導入することで、いち早く復活を遂げました。この明暗を分けた最大の要因は、「入場者を物理的に制限・管理できるインフラが存在したかどうか」という運営構造の違いにあります。