SNSや動画プラットフォームでは「顔ダニをごっそり駆除する」「顔ダニ全滅で毛穴レス」といったセンセーショナルな見出しが散見されます。しかし、日本皮膚科学会所属の専門医らが警鐘を鳴らす通り、顔ダニの完全な死滅を目指す行為は極めて危険です。
人間の皮膚には主に「デモデックス・フォリキュロラム(毛包脂ダニ)」と「デモデックス・ブレビス(皮脂腺ダニ)」の2種類が共生しています。彼らは毛穴の中で余分な皮脂や角質を捕食し、肌表面の弱酸性環境を維持する役割を担っています。つまり、健康な肌環境においては有益な働きをしている一面もあるのです。
それにもかかわらず、アルコール消毒や熱湯洗顔、過度なピーリングによって無理に殺そうとすると、肌を守る角質層が破壊され、かえって皮脂が過剰分泌されてダニの爆発的増殖を招くという最悪の悪循環に陥ります。目指すべきゴールは「殺滅」ではなく、「健やかな共生バランスの回復」であることを正しく理解する必要があります。