「手足口病は予後良好な軽い夏風邪」と油断していると、極めて稀に起こる重篤な合併症を見落とす危険があります。特にエンテロウイルス71(EV71)が流行株である場合、中枢神経系合併症(無菌性髄膜炎、脳炎、急性弛緩性麻痺)を引き起こすリスクが高まります。
発疹の程度と重症化リスクは必ずしも比例しません。水疱がわずか数個であっても、以下の危険兆候が認められた場合は、夜間や休日であっても直ちに救急外来や小児科専門医を受診してください。
【危険】直ちに医療機関を受診すべきエマージェンシーサイン
- 38℃以上の高熱が3日以上継続している
- ぐったりして視線が合わない、呼びかけに対する反応が鈍い
- 頭痛を強く訴え、激しく何度も嘔吐を繰り返す
- 呼吸が浅く速い、肩で息をしている、顔色が明らかに青白い
- 寝入りばなや安静時にビクッとする激しい筋肉の痙攣(ミオクローヌス)が頻発する
- 半日以上排尿がなく、泣いても涙が出ない(重度脱水症状)
【プロの結論】自宅療養で受診・相談を急ぐべきかどうかの判断基準
保護者が取るべき行動の指針として、「機嫌よく水分が摂れているか」が最大の分岐点となります。水分さえ少量ずつ頻回に補給できており、笑顔や睡眠が保たれているなら、焦って深夜に救急受診する必要はなく、翌日の一般診療時間内の受診で十分です。しかし、経口摂取が完全にストップして半日以上経過している場合は、点滴による補液管理が必要となるため、躊躇せず受診を選択してください。