舐達麻の特異性は、メンバー全員が埼玉県熊谷市という北関東のローカルエリアで青春時代を共に過ごし、生死を分けるような修羅場を共有してきた点にあります。ここでは中心メンバー3名のパーソナリティと経歴を詳細に整理します。
クルーのリーダーであり絶対的なフロントマンがBADSAIKUSH(バダサイクッシュ/本名:細谷雄太、1990年生まれ)です。ハスキーで重厚な低音ボイスと、情景が鮮烈に浮かび上がるリリシズムを持ち味とし、インタビューや楽曲内でもストリートの過酷な現実と音楽への偏執的なまでの情熱を語っています。少年期の非行や複数回の少年院・刑務所服役を経験しながらも、獄中でノートに膨大なリリックを書き溜め、出所後に舐達麻の音楽的基盤を築き上げました。
卓越したリズムキープとメロディアスかつタイトなフロウで聴き手を魅了するのが、DELTA9KID(デルタナインキッド/本名:広井大佐、1989年生まれ)です。物静かな佇まいの中に鋭い緊張感を秘めたラッパーであり、タイトな韻踏みと哀愁漂うデリバリーは楽曲に深い陰影を与えています。BADSAIKUSHとは幼馴染であり、後述する悲劇的な事件の現場にも同席していた当事者でもあります。
そして、太く力強い声質とブレない存在感で楽曲のボトムを支えるのがG-PLANTS(ジープランツ/本名:本多勇翔、1988年生まれ)です。現場叩き上げのスキルと安定したバース運びを誇り、クルーの重心としての役割を果たしています。ソロや客演でも確かな存在感を示し、グループのタフなアティチュードを体現し続けています。