番組の画面だけを見ていると、カメラの前に現れる人々が皆、気さくに自らの半生を語り出しているように映ります。しかし、実際のドキュメント72時間 撮影の裏側は、途方もない待ち時間と度重なる拒否の連続です。現場の制作チームは通常、ディレクター2名、カメラマン、音声などの少人数体制で交代勤務を行い、対象の場所を72時間完全に監視し続けます。
現場ディレクターの手記や特番での告白によると、ドキュメント72時間 インタビュー 断る人の割合は実に7割から8割にのぼります。カメラを向けた瞬間に顔を背けられることや、「急いでいるので」「プライベートなので撮らないでほしい」と冷たくあしらわれることは日常茶飯事です。画面に登場する1本のインタビューの背後には、何十人もの素通りと拒絶が積み重なっています。
取材スタッフは「何かドラマチックなことを話してください」と誘導することは決してありません。ただ「こんにちは、何を買われたんですか?」「今日はどこからいらしたんですか?」といった素朴な問いかけから始め、相手のペースを尊重しながら数十分から時には1時間以上も雑談を交わします。その長い会話の中から、相手が自発的に打ち明けてくれた「人生の核心となるわずか1〜2分」が放送に使われているのです。この気の遠くなるような取材手法こそが、予定調和を排したリアルを生み出しています。