「非表示にした行を戻そうとして上下の行を選択し、右クリックで再表示を押しても何も起きない」。オフィスワーカーのQ&Aコミュニティや社内ヘルプデスクで最も多く寄せられる悲鳴の一つが、この再表示トラブルです。検証の結果、この現象が発生する背景には明確な3大要因が存在することが判明しました。
第1の要因は、「行の高さが0ピクセルに手動固定されている」ケースです。通常の非表示処理ではなく、行の境界線をドラッグして意図的・偶発的に高さを0にしてしまった場合、エクセルは「非表示状態」ではなく「高さ0の表示状態」として認識します。そのため、右クリックの「再表示」コマンドが機能しません。解決するには、該当箇所を挟む行を選択し、右クリックメニューの「行の高さ」を開いて任意の数値(標準値は18.75ポイントなど)を直接入力して確定させます。
第2の要因は、「シートの保護(パスワード保護)がかかっている」ケースです。共有ファイルなどで「行の非表示 パスワード保護」が設定されていると、閲覧者は非表示行の展開や再表示の操作権限をロックされます。「校閲」タブから「シート保護の解除」を実行し、設定されたパスワードを入力して制限を解除する必要があります。
第3の要因は、「1行目が隠れていて選択できない」ケースです。2行目と3行目の間であれば両側を挟んで選択できますが、1行目は上側に挟む行が存在しません。この場合は、左上にある名前ボックスに「1:1」または「A1」と直接入力してEnterを押し、1行目がフォーカスされた状態で「ホーム」タブの「書式」>「非表示/再表示」>「行の再表示」を実行するか、「Ctrl + Shift + 9」を押すことで確実に復元できます。
シート全体の非表示を一括でリセットしたいときは、シート左上の「全セル選択ボタン」(行番号1と列記号Aが交差する三角マーク)をクリックするか「Ctrl + A」を押して全領域を選択した上で、行番号のどこかを右クリックして「再表示」を選択すれば、隠れていたすべての行が一網打尽で再表示されます。