日本社会を根底から揺るがしたオウム真理教による一連の事件において、罪のない教祖の子供たちが被った不利益と不条理はあまりにも大きかった。学齢期における小中学校への入学拒否、大学での合格取り消し、自治体による住民票受理の拒否など、基本的権利を否定する法的な排除措置が長年にわたって横行した。
公判が続く中で繰り広げられた裁判の知られざる裏側では、主犯格の家族という理由で人権やプライバシーが容易に打ち捨てられてきた実態が存在する。法廷での証言や死刑判決を受けた教祖との面会においては、重度の精神的荒廃によって意思疎通すら不可能となった父親の惨状を前に、家族としての情愛と社会的な犯罪責任の板挟みに苦しむ姿があった。正義の追求の陰で追いやられた家族の過酷な現実は、司法制度と人権保障の狭間に存在する深い闇を映し出している。