彼女の人生を決定づけたのは、若き異端の天才監督・大島渚との出会いだった。映画界の既成概念を打ち破ろうとする「松竹ヌーヴェルヴァーグ」の旗手として奔走していた大島にとって、彼女は単なる主演女優を超えた特別な存在、まさにミューズだったのだ。
二人の強い絆を象徴する作品が、安保闘争に揺れる時代を描いた傑作『日本の夜と霧』だ。政治的主題と実験的な長回し撮影で話題を呼んだ本作で、彼女は鬼気迫る演技を魅せた。だが上映はわずか4日で突如打ち切られる。会社側の決定に猛反発した大島が松竹を退社する際、彼女もまた共に歩む道を選んだ。情熱と波乱に満ちた二人の愛は、映画界の歴史に深く刻まれている。