佐伯耕三の現在と経歴|秘書官時代の発言真相と退官理由を徹底検証

佐伯耕三の現在と経歴|秘書官時代の発言真相と退官理由を徹底検証

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官僚としての佐伯耕三氏のキャリアは、霞が関の歴史の中でも極めて特異な輝きとスピード感を持っていた。関西屈指の進学校である灘中学校・高等学校を経て、東京大学法学部を卒業。1998年(平成10年)に当時の通商産業省(現・経済産業省)へ入省した。入省年次から見ても、同世代の官僚たちが課長補佐クラスとして現場を駆け回っていた時期に、彼はすでに国家の最高意思決定機関の至近距離に身を置いていた。

転機となったのは、第2次安倍政権の発足に伴う首相官邸への登用である。官邸中枢で「官邸官僚のドン」と目された今井尚哉・元首相秘書官兼補佐官の右腕として見出され、2013年に内閣総理大臣秘書官(事務担当)に着任した。当時、事務担当の首相秘書官は50代前後の局長・審議官クラスが就くのが通例であり、40代前半、本省の課長級直前での抜擢は極めて異例の人事として省内を震撼させた。

佐伯氏が担った主たる役職と責務は、単なる政策調整にとどまらない。とりわけ評価されたのが、安倍元首相の所信表明演説や施政方針演説、さらには米連邦議会上下両院合同会議での歴史的演説(2015年)をはじめとする、各種外交スピーチの起草だった。情動に訴えかけ、強いメッセージ性を帯びた文章を紡ぎ出す能力は政権幹部から絶大な信頼を勝ち得ており、官邸主導の政策決定において欠かせない推進エンジンとなっていった。

佐々木 一輝
著者

佐々木 一輝

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。