破滅の淵に瀕した巨大ネットワークを救済し、健全な事業として再生させるために動いたのが、総合商社の伊藤忠商事、そのエネルギー子会社である伊藤忠エネクス、そして企業再生ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP)による企業連合でした。
2026年春に完了した伊藤忠商事による買収経緯は、極めて緻密な法的スキームに基づいています。最大款項は「兼重一族の完全排除」と「負の遺産の切り離し」でした。創業家の資産管理会社であるビッグアセットが保有していた株式は新設された特別目的会社(SPC)へ譲渡され、JWPがこれを掌握。会社分割によって、健全な中古車売買・整備事業資産のみを新会社「株式会社WECARS(ウィーカーズ)」へ承継させ、2026年5月1日より正式に新体制での営業を開始しました。
一方、保険金不正請求に伴う返還請求や損害賠償訴訟、金融機関への債務を抱えた旧社は「株式会社BALM(バーム)」へと商号を変更。BALMはJWP傘下の清算・訴訟対応専任会社として存続し、過去の後始末を一手に引き受ける構造が完成しました。
現在稼働しているウィーカーズ経営陣は、伊藤忠商事から送り込まれた田中慎二郎社長を筆頭に、コンプライアンス統括役員や外部弁護士を据えた盤石の布陣です。旧経営陣の幹部は完全に排除され、かつてのノルマ至上主義から顧客満足度・コンプライアンス遵守を第一とする企業風土への刷新が図られています。