J-POPの失恋ソングには、綺麗にお別れを受け入れる美談や、徹底的に落ち込むメソメソとした描写が少なくありません。しかし「スーパースターになったら」の歌詞世界が画期的なのは、「未練」をガソリンにして疾走する生命力を描き切っている点です。
歌詞の全編に散りばめられているのは、日常の情景と主人公の空回りするプライドです。どれだけ強がっても、ふとした瞬間に相手の記憶がフラッシュバックし、胸を締め付けられる。そんな情けないリアルを精密にスケッチしながらも、曲が進むにつれて感情のギアが上がっていきます。
カッコ悪い自分を否定しないからこそ、サビの爆発力に嘘がありません。弱さを自覚した上で「それでも前を向く」と腹を括る主人公の泥臭い決意は、聴くたびに新鮮な勇気を与えてくれます。