「なすは油を吸いすぎるからカロリーが高い」という認識は、実は半分正しく半分間違っている。確かに生のなすはスポンジ状の組織に油を物理的に吸着するが、加熱時間と油温を管理すれば吸油率は大幅に抑えられる。日本植物油協会の技術資料によると、170℃の油で素揚げした場合となすをあらかじめ素焼きしてから油を加えた場合では、吸油率に最大40%の差が出るという。つまり「なすは油を吸う」のではなく「調理法が油を吸わせている」のだ。
また「ズッキーニ なす 副菜」として両者を単純に和えると、ズッキーニの水分がなすの味を薄めるとの指摘があるが、これは調理前にズッキーニを塩もみするか、両者を別々に加熱してから合わせることで解決する。料理初心者ほど一つのフライパンで同時に調理しがちだが、プロの厨房では「別加熱・後合流」が鉄則だ。この一手間の有無が、SNSで見かける「何か味がぼやける」という失敗例の分かれ目になっている。
さらに「ズッキーニはきゅうりの仲間」という誤解も根強いが、ズッキーニはペポカボチャ(カボチャ属)に分類され、きゅうりとは属が異なる。見た目の類似性から生まれた俗称だが、加熱して食べるのが前提のズッキーニと生食が基本のきゅうりは、調理上の扱いがまったく違う。この認識のずれが、加熱不足や過加熱といった失敗の温床になる。