SNSの普及に伴い、返信はがきの「御出席」「御欠席」の文字を巧みに隠すようにアニメキャラクターや花輪を描く「イラスト返信アート」が話題を集めるようになりました。しかし、この流行に対して現場のプランナーや新郎新婦からは、称賛の声と同時に強い困惑の声も上がっています。
都内のゲストハウスで統括プランナーを務める担当者は、現場のリアルな実態を次のように明かします。
「新郎新婦のご友人同士であれば『すごすぎる!』と盛り上がるケースがほとんどです。しかし、回収したはがきを新婦のご両親がチェックされる伝統的な家柄の場合、『不謹慎ではないか』と親族間で物議を醸してしまった事例もあります。また、アートに熱中するあまり、会場側が座席表の配席や名札の漢字を確認するための『氏名欄』『住所欄』まで塗りつぶされてしまい、プランナーが電話で確認し直すという本末転倒なトラブルも年間数件発生しています」
イラスト返信アートは、「新郎新婦と極めて親しい間柄であること」「事務局(会場・親族)の視認性を一切妨げないレイアウトであること」の2点がクリアできない限り、控えるのが大人の配慮です。
また、実務上極めて深刻な影響を及ぼすのが返信はがきアレルギー欄の正しい書き方です。結婚式場の料理は、ゲスト一人ひとりの生命安全に関わるため、医療レベルの厳密さで調理されます。ここで「ネギの風味が少し苦手です」「辛いものが食べられません」といった個人の嗜好(好き嫌い)を記載してしまうと、婚礼厨房のオペレーションが著しく混乱します。
アレルギー欄に記載すべきは、医学的に摂取が制限されている品目に限られます。さらに、「加熱処理されていれば摂取可能か」「出汁や微量エキスもNGか」という重篤度まで簡潔に書き添えるのが、新郎新婦と厨房スタッフに対する最大の誠意です。
【正しい記載例】
「エビアレルギーがあります(出汁やエキスは問題ありません)」
「卵アレルギー(完全除去)のため 加熱された加工品も含め口にできません」
※特にアレルギーがない場合は、「アレルギー等はございません お気遣いいただき深謝申し上げます」と記載するのが模範的な対応です。