華々しい活躍の陰には、メディアのカメラが届かない場所で重ねられた途途もない格闘が存在する。数年前、怪我や調子の低迷に見舞われ、表舞台から姿を消していた時期があった。多くのメディアが「限界」や「低迷」といった言葉でその将来を危ぶむ中、本人はただひたすらに自身の基礎を再構築することだけに集中していたという。
誰もいない練習場で深夜まで繰り返された地道な泥臭いトレーニング。他者の声に耳を貸さず、愚直に自らの肉体と対話し続けたその時間が、現在の強固な骨格を作り上げた。どん底の状況すらも自らを進化させるための燃料へと変えてみせた覚悟は、今や若いアスリートたちにとって伝説的なエピソードとして語り継がれている。