退職手続きにおいて極めて重要な書類が、退職後に元勤務先から送付される「雇用保険被保険者離職票(離職票-1および離職票-2)」です。多くの離職者が金額欄や氏名ばかりに目を奪われがちですが、記者の取材現場で頻発しているトラブルの温床は、離職票-2の右側に記載された「離職理由」欄にあります。
ハローワークの業務処理システムでは、離職理由が厳格に数値コード化されています。窓口での判定基準となる代表的なハローワーク離職理由コード一覧を整理したものが以下です。
- コード11:倒産等による離職(破産、民事再生、手形取引停止など)
- コード12:事業所の廃止、事業活動の縮小に伴う人員整理(整理解雇)
- コード21:雇止め(更新上限の到来、契約期間満了による終了)
- コード22:使用者の責めに帰すべき事由による解雇(懲戒解雇を除く解雇)
- コード23:事業主からの退職勧奨(退職勧告失業手当の対象となる典型的な区分)
- コード31・32:事業所移転、過度な残業、給与未払い、ハラスメント等による離職(特定受給資格者)
- コード40・4D:労働者の個人的な事情による自己都合離職(一般離職者)
注目すべきは、労働局が定める特定受給資格者判断基準です。倒産や一方的な解雇だけでなく、会社側から「今後の身の振り方を考えてほしい」と肩を叩かれた場合、それを受け入れて合意退職したとしても法的には「退職勧奨の受諾(コード23)」となり、明白な会社都合として扱われます。さらに、給与の支払遅延が続いた場合や、離職直前6ヶ月のうち「3ヶ月連続で45時間超」「2ヶ月平均で80時間超」「1ヶ月で100時間超」の時間外労働が発生していたケースも、特定受給資格者として認められます。
しかし、一部の企業は「特定受給資格者を出すと国の雇用関係助成金(キャリアアップ助成金など)が受給停止になる」という身勝手な財務都合から、退職届に無理やり「一身上の都合」と書かせ、離職票に「コード40(自己都合)」と虚偽記載してハローワークに提出する悪質な手口を用います。離職票が手元に届いた際、右下にある「事業主が把握している離職理由」と「離職者本人の判断」が食い違っている場合は、決して会社の主張に同意のサインをしてはいけません。