聖地として名高い温泉地には日々多くのファンが詰めかけていますが、現地を実際に訪れた旅行者の証言やSNSの口コミを精査すると、憧れだけでは見落としがちな現場のリアルが浮かび上がってきます。
保存修理が完了した道後温泉本館を訪れた旅行者からは、「外観の圧倒的な美しさに鳥肌が立った」「刻太鼓(ときだいこ)の音が響く朝の空気感が映画の始まりのよう」と絶賛する声がある一方、「連休中は朝8時の段階で夕方以降の整理券しか残っていなかった」「入浴時間が1時間程度に制限されているため、ゆっくり長湯を楽しむというよりは文化財の見学に近い」といった混雑に関する切実な報告が寄せられています。
また、積善館や金具屋などの宿泊体験者からは、建築美への高い満足度とともに、歴史的木造建築特有の注意点を指摘する声も目立ちます。「金具屋の斉月楼は階段が急で、歩くたびに木が軋む音が心地よいが、足腰が弱い年配者には移動が厳しい」「積善館の本館は昔ながらの湯治宿の造りを受け継いでいるため、隣室の物音や廊下の足音が響きやすい。防音や近代的なホテル設備を期待していくと戸惑う」という意見です。聖地としての情緒を味わうには、建物の古さや不便さそのものを歴史の味わいとして受け入れる心構えが求められます。