警察庁が推進してきた女性警察官の登用拡大方針により、全国の警察本部において女性警察官が占める割合は着実に増加し、女性警察官の割合は2026年最新の集計で全国平均12%前後に到達しています。かつては警務部門や交通安全指導などのバックオフィス中心と見なされていた人員配置は、今や刑事・生活安全・警備・地域警察など、あらゆる実動部隊へと完全に広がりました。
採用試験の競争環境に目を向けると、女性枠の拡大に伴い倍率の二極化が進んでいます。大都市圏を管轄する警視庁の女性警察官採用情報や主要道府県警の試験データを検証すると、大学卒業程度(Ⅰ類・A区分)の女性警察官の採用倍率は3倍〜6倍程度で推移しており、過去の10倍を超えた超高倍率時代と比較して受験しやすい環境が整いつつあります。しかし、採用枠そのものが男性よりも少ない地方警察本部では、依然として高倍率の激戦が繰り広げられるケースも珍しくありません。
また、受験資格において長年のハードルとされてきた女性警察官の身長制限基準(かつて目安とされた154cm〜157cm以上などの数値制限)は、多様な人材確保の観点から警視庁をはじめとする多くの警察本部で撤廃、あるいは大幅に緩和されました。体格の絶対値よりも、職務執行に必要な基礎体力、論理的思考力、状況判断能力を重視する採用基準へと明確にシフトしています。