声明文の全文を公開すべきか否か。1997年当時の報道現場は、かつてない倫理的葛藤に直面した。犯人の主張をそのまま紙面に掲載することは、結果的に凶悪犯の自己顕示に手を貸し、模倣犯を生むリスクを高めるのではないかという強い批判が巻き起こったためだ。
一部のメディアがセンセーショナルに文章の細部を報じる一方で、被害者遺族への配慮や社会の安全を優先すべきだとする議論が噴出。この事件を境に、日本のジャーナリズムにおける犯罪報道のガイドラインや、犯人側の主張・言動を取り扱う際のリスク管理意識は劇的な変化を余儀なくされた。