ベストキッドでジャッキーが見せた奇跡の名演と新作合流の全真相

ベストキッドでジャッキーが見せた奇跡の名演と新作合流の全真相

ベストキッドでジャッキーが見せた奇跡の名演と新作合流の全真相に関する最新の話題を分かりやすく解説いたします。

映画『ベスト・キッド』(2010年版)でジャッキー・チェンが演じたのは、北京のうらぶれたアパートで修理工として静かに暮らす謎めいた管理人、ミスター・ハン(Mr. Han / 韓師匠)です。オリジナル版で故パット・モリタが演じたミヤギ仙人の系譜を継ぐキャラクターでありながら、ジャッキーが吹き込んだ生命は、観客がこれまでスクリーンで目撃したどの師匠像とも異なっていました。

象徴的なのが、異国の地でいじめに遭い傷心する少年ドレ・パーカー(ジェイデン・スミス)に課した「上着の脱ぎ着」の反復練習です。「ジャケットを着ろ、脱げ、掛けろ、地面に落とせ、拾え」という一見無意味な命令を何千回と繰り返させる指導法は、オリジナル版の「ワックスがけ(Wax on, Wax off)」への見事なオマージュでありながら、極めて実践的な中国武術の身体原理に根ざしていました。

ドレが怒りを爆発させた瞬間に見せる、無駄のない掌底の受け流しと連動した動き。そこでジャッキー演じるハンが静かに放った台詞、「生活のすべてがカンフーだ。服を着る動作にも、人への接し方にもカンフーはある」という名言は、単なる格闘技のテクニックを超えた人生哲学として、今なお多くの視聴者の胸を打ち続けています。

プロデューサーを務めたウィル・スミス夫妻の現場証言によると、当時弱冠11歳だったジェイデン・スミスに対し、ジャッキーは一切の妥協を許さないリアルなトレーニングを要求しました。北京の真夏と極寒のロケ地で、ジャッキー・アクションチームの重鎮ウー・ガン武術指導のもと、ジェイデンは毎日3カ月以上にわたる基礎訓練を敢行。ジャッキー自身が現場でジェイデンの筋肉の張りや重心のブレを細かくチェックし、父親代わりのメンターとして寄り添ったからこそ、あの奇跡的なスクリーン上の師弟ケミストリーが結実したのです。

中島 亮太
著者

中島 亮太

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。