首相官邸への権力集中は、意思決定のスピードを飛躍的に高めた。しかし、それは同時に従来の官僚機構や党内旧来勢力との軋轢を激化させる刃ともなった。政策実行の急進性が、一部の閣僚による失言や不祥事と相まって、メディアの激しい追及を受ける要因となったのだ。
当時、NHKをはじめとする主要メディアは連日のように官邸と各省庁のバトルや国会の混乱を報じた。「消えた年金問題」など構造的なトラブルが発覚した際、官邸主導の危機管理が試されることとなった。スピード感を重視するあまり、丁寧な説明プロセスが不足した場面も少なくなく、政権の支持率揺らぎへと直結していく。