ハウスメーカーや工務店との打ち合わせ不足により、引き渡し後に「想像と違っていた」と後悔する施主のケースがネット上やリフォーム相談窓口で散見されます。現場取材から浮き彫りになった主な失敗パターンを分析します。
失敗例1:金具の奥行き計算ミスによる「テレビの圧迫感・飛び出し」
壁掛け金具には、壁面に密着する固定式(薄型)、上下角度が変えられるチルト式、左右に首振りが可能なアーム式(フルモーション)の3タイプがあります。特に前後伸長や首振りが可能なアーム式金具は、金具単体で約50mm〜80mm程度の厚みを有します。これにテレビ本体の厚み(約50mm〜70mm)が加算されると、ふかし壁の突出寸法と合わさって壁面から250mm以上も前面に飛び出し、動線を圧迫して強い威圧感を生んでしまう事態に陥ります。
失敗例2:レコーダー収納ニッチの寸法不足と熱のこもり
「テレビボードを置きたくない」という理由でふかし壁の下部にAV機器用ニッチを造作したものの、奥行きが足りずにBlu-rayレコーダーやPlayStation 5の本体・接続プラグがニッチからはみ出してしまうトラブルです。また、扉を設けた密閉構造にした結果、内部に排熱がこもり機器が熱暴走を起こす事例も確認されています。ニッチ内部の奥行きは有効寸法で最低でも350mm〜400mmを確保し、配線コネクタの曲がり代を考慮した逃げ設計が不可欠です。
失敗例3:下地合板の補強範囲が狭く、将来のインチアップに対応できない
建築時に設置予定だった55インチテレビの金具位置にのみ部分的な木下地を入れていたため、数年後に65インチや75インチへ買い替えた際、金具の取り付けピッチ(VESA規格)が外れて再設置が困難になる失敗です。ふかし壁を造作する際は、テレビ設置想定エリア全体に厚さ12mm以上の構造用合板(またはラワン合板)を全面張りしておくことが鉄則となります。