エディー・バウアーのタグデザインは、ブランドの経営体制の刷新や製造拠点の移転に伴い、極めて明瞭な変化を遂げてきました。エディーバウアーヴィンテージの世界へ踏み込むにあたり、まずはタグ変遷一覧を通じて主要な意匠の特徴を押さえる必要があります。
最初期に位置づけられるのが、1940年代から1950年代にかけて採用された通称日の出タグ(サンライズタグ)です。山並みの向こうから朝日が昇るグラフィックが刺繍され、ブランド名とともに「BAUER DOWN」「BLIZZARD PROOF」などの文字が誇らしげに刻まれています。この時代のタグは織り密度が非常に高く、文字のフォントにも武骨なクラフトマンシップが宿っています。
1953年のアメリカK2遠征隊のために開発された名作ダウンに冠されたカラコラムタグもこの系譜に連なり、山岳隊向けの過酷な環境に耐えうる証として、極めて高いコレクターズバリューを誇ります。
1960年代後半から1970年代に入ると、デザインは洗練の度合いを増します。象徴的なのが、ブランドロゴが流麗な筆記体で綴られた「筆記体タグ」です。「Eddie Bauer」の文字下に「SEATTLE, U.S.A.」の刻印が入り、アメリカ生産の全盛期を象徴するディテールとして現在も高い人気を維持しています。
続いて1980年代に登場したのが、黒地に金や白の文字でロゴが配されたエディーバウアー黒タグです。この80年代黒タグは、前期型と後期型に細分化されます。前期型はブランドネームの右下に小さくレジスターマーク(Ⓡ)のみが入り、サイズ表記が別タグとして下に付くケースが主流ですが、後期型になるとタグ内にサイズ表記が一体化されるなどのマイナーチェンジが見られます。
そして1990年代を象徴するのが90年代白タグです。白地に緑や紺の刺繍が施され、ストリートカルチャーやテック系アウトドア(EBTEKラインなど)の台頭と呼応するように、よりカジュアルで量産に適した仕様へとシフトしていきました。