一般的に、日本の沿岸では約半日の周期で満潮と干潮が繰り返され、1日にほぼ2回ずつ訪れます。なぜ月が真上にあるときだけでなく、月の裏側に位置するときにも満潮が起きるのでしょうか。その真相は、前述した起潮力によって海水が「両側に盛り上がった状態」のなかを、地球が自転しながら潜り抜けている点にあります。
地球は約24時間をかけて自ら1回転(自転)しています。海水の膨らみは常に月を結ぶ直線の前後に固定されているため、自転する地球上の1つの観測地点は、1日のあいだに「月側の膨らみ(満潮)」と「月と反対側の膨らみ(満潮)」の合計2つの山を順番に通過することになります。これが、1日に2回満潮が訪れる決定的な理由です。
さらに注目すべきは、満潮と干潮の訪れる時刻が毎日同じではなく、毎日約50分ずつ遅れていくという事実です。海上保安庁海洋情報部のデータでも明らかなように、満潮から次の満潮までの平均周期は正確な12時間ではなく、約12時間25分となっています。
このズレが生じる理由は、地球が自転している間にも月自身が地球の周囲を同じ方向へ公転しているためです。地球が360度自転した時点では、月はすでに約12度先へ進んでおり、その月が再び同じ地点の真上(南中)に来るまでには、地球が自転をさらに約50分間余分に続けなければなりません。結果として、満潮の訪れる間隔は約12時間25分、干潮から満潮までの時間は約6時間12分という周期が刻まれることになります。