張り詰めた静寂を破る鋭い気迫。今年の東京都ジュニア柔道体重別選手権大会は、序盤から波乱と歓喜が交錯する極上のサバイバルマッチとなった。未来の五輪代表を射程に捉える有力選手たちがズラリと顔を揃えた男子各階級では、従来の力関係を覆す鮮やかな番狂わせが続出している。
とりわけ会場の視線を釘付けにしたのが、男子中量級における屈指の好カードだ。互いに手の内を知り尽くしたライバル同士の対決は、延長ゴールデンスコアにもつれ込む泥沼の持久戦へ。勝敗を分けたのは、わずか数ミリの釣り手の位置、そして相手が重心を後ろへ逃がしたコンマ数秒の隙を見逃さず繰り出した鋭利な小内刈りだった。観客席が一瞬息を呑み、主審の手が大きく宙を舞う。知られざる勝敗の分かれ目を徹底分析すると、現代柔道が求める「瞬発的な状況判断力」の絶対的な差が浮き彫りになる。
女子のトーナメントも見応え十分だった。軽量級で見せた電光石火の背負い投げのキレ、重量級における徹底した足技からの寝技への移行スピード。ただ力でねじ伏せるのではない。相手の力を巧みに利用し、緻密な戦術で隙を突く高度な駆け引きが随所に光り、畳を取り囲む指導陣からも思わず唸り声が漏れた。