ALSは、脳から筋肉へ指令を伝える「運動ニューロン(運動神経細胞)」が選択的に障害される病気です。感覚神経や自律神経、意識清明度は保たれることが多く、初期症状の現れ方によって主に以下のタイプに分類されます。
1. 上肢型(手・腕の異常:全体の約40%)
最も多い初期症状です。片方の手や指先から症状が始まることが多く、「ボタンが掛けられない」「鍵を回せない」「ハサミが使えない」といった巧緻(こうち)運動の障害が生じます。次第に親指の付け根(母指球筋)や手の甲の筋肉が窪むように萎縮していきます。
2. 下肢型(足・歩行の異常:全体の約30%)
片方の足首が上がりにくくなる「下垂足(かすいそく)」が現れます。「階段の昇り降りが急につらくなる」「すり足になり、わずかな段差で転倒する」といった症状から始まります。
3. 球麻痺型(口・喉の異常:全体の約25%)
延髄(球)にある運動神経が障害され、「言葉がもつれてろれつが回らない(構音障害)」「食事やお茶で激しくむせる(嚥下障害)」が現れます。舌の筋肉がやせて縮み、表面が細かくピクつくのが特徴です。
4. 呼吸筋麻痺型(全体の約数%)
手足や口の症状よりも先に、呼吸を司る筋肉が衰える極めて稀なタイプです。横になると息苦しい(起座呼吸)といった症状で見つかります。
ALSの進行スピードには個人差がありますが、「数週間から数ヶ月単位で、不可逆的(元の状態に戻ることなく)に少しずつ筋力低下が隣接する筋肉へと広がっていく」という特徴を持ちます。「日によって良くなったり悪くなったりする」「朝は調子が悪いが夕方は普通に動く」といった変動(日内変動)がある場合は、重症筋無力症など別の神経筋疾患が疑われます。