身体診察において古くから重視されているのが、髄膜刺激症状の3大徴候と呼ばれる臨床サインです。これらは特別な医療機器を使わずとも、ベッドサイドで迅速に確認できる重要なフィジカルアセスメント項目です。
1つ目は項部硬直です。患者を仰向け(背臥位)に寝かせ、検者が後頭部に手を当てて頭部を持ち上げ、あごを胸につけようと前屈させた際に、強い抵抗感や痛みのために前屈できない現象を指します。
2つ目はケルニッヒ徴候です。仰向けの状態で片方の股関節と膝関節をそれぞれ90度に曲げた後、膝をまっすぐ伸ばそうと持ち上げた際、太ももの裏(ハムストリングス)の激痛や抵抗によって膝が135度以上伸展できない場合に陽性と判定されます。
3つ目はブルジンスキー徴候です。仰向けの患者の頭部を受動的に前屈させたとき、痛みを回避しようとして反射的に両側の股関節と膝関節がカエルの足のように折れ曲がる現象を指し、特異度が非常に高い所見として知られています。
さらに外来診療や初期スクリーニングで極めて有用視されているのがジョルトアクセント(Jolt accentuation of headache)です。患者自身に首を1秒間に2〜3回の速さで水平方向に左右に振ってもらい、頭痛が増悪するかどうかを確かめます。増悪が見られない場合は髄膜炎をほぼ否定できる(感度が極めて高い)スクリーニング手技として重宝されています。