かつて「大隅国一の宮」として崇められたこの神社は、海幸山幸の神話で名高い天津日高彦火火出見尊(ヒコホホデミノミコト)と豊玉比売命(トヨタマヒメノミコト)を主祭神として祀っている。神話の起源は遥か太古に遡り、霧島の山々に抱かれた地理的ロケーションも相まって、参拝者を時空を超えた旅へと誘う。
境内に一歩足を踏み入れると、まず目を奪われるのが朱塗りの鮮やかな拝殿だ。現在の社殿は18世紀半ばに薩摩藩主・島津重年によって再建されたものであり、鹿児島県指定の有形文化財としても極めて高い評価を得ている。独特の建築様式は、薩摩独自の力強さと美意識を如実に物語っている。