ドラえもんのイラストを描く際、多くの人が「丸を描いて目を並べ、ヒゲを描けば完成する」と考えがちです。しかし、実際に描いたものがどこか不格好に見えてしまう理由は、パーツ自体の難しさではなくパーツ同士の配置間隔と比率のズレにあります。
藤子・F・不二雄先生の描くキャラクター造形は、幾何学的な円と直線の組み合わせでありながら、極めて精密な視覚心理学に基づいた黄金比で構成されています。特に重要なのが「外側の青い輪郭」と「内側の白い顔(頬)のライン」の関係性です。
外側の円に対して、内側の白い輪郭は中心に配置するのではなく、やや下寄りに配置(上部と左右の余白を1.2〜1.5倍ほど広めに確保)します。これにより、おでこ部分に適度な丸みが生まれ、幼く愛らしいキャラクター特有の「ベビースキーマ(幼児性特徴)」が強調されます。丸の比率と目の位置さえ押さえれば、絵が苦手でも驚くほど簡単に上手に描けるようになります。