都市の格付けや序列を分析する際、都市社会学では「都市の自己完結性(自立度)」を重要視します。単に人が多く住んでいる「居住地」なのか、周囲の都市から人を吸い寄せて雇用と富を生み出す「中心地」なのかの違いです。
名古屋市は、愛知県内のみならず岐阜県・三重県・静岡県西部を含む広大な中京工業地帯の中枢管理機能を担っています。昼間人口が夜間人口を大きく上回る(昼夜間人口比率110%超)だけでなく、「主要銀行の地域統括拠点」「中部電力・JR東海・名鉄などのインフラ中枢」「有力シンクタンクや大学群」がすべて市内に集約されています。
一方、仮に横浜市が東京圏から完全に切り離された場合、現在の経済規模や雇用を単独で維持することは極めて困難です。都市の序列を決定づけるのは、行政境界内の住民基本台帳の数字ではなく、「その都市がどれだけの広域圏を従属させ、主導権を握っているか」という構造的自立度なのです。