さとう珠緒の若い頃を振り返る上で欠かせないのが、特撮ヒロインとしての鮮烈なデビューです。1995年に放送されたスーパー戦隊シリーズ第19作『超力戦隊オーレンジャー』において、オーピンク(丸尾桃役)に抜擢。元気でチャーミングなアクションと愛らしい笑顔は、子どもたちだけでなく当時の特撮ファンや親世代の間でも大きな反響を呼びました。
その後、深夜番組『出動!ミニスカポリス』の初代ポリスに起用されると、持ち前の美脚と親しみやすいキャラクターで男性層の人気を決定づけます。そして平成後期のバラエティ番組において、彼女の代名詞となったのが両手を握りしめて怒る仕草「プンプン(ぷんぷん)」でした。
計算され尽くした「あざと可愛い」仕草は、バラエティ番組のひな壇で唯一無二の存在感を放ち、情報番組『スーパーJチャンネル』の司会を務めるなど多忙を極めました。その一方で、雑誌の企画「女が嫌いな女ランキング」では複数年にわたり上位の常連となるなど、激しいバッシングの対象にもなりました。
しかし、当時のディレクターや放送作家の証言によれば、彼女は現場で求められる「嫌われ役」や「あざとい女性枠」をプロとして完璧に演じ切っていたとされます。カメラが止まれば共演者やスタッフに対して極めて礼儀正しく、挨拶を欠かさない誠実な仕事人でした。自らのパブリックイメージを客観視し、番組のスパイスとして機能させ続けたセルフプロデュース能力の高さこそ、彼女の若い頃を象徴する才能だったと言えます。