通行量の激減に直面したエジプトの連邦機関であるスエズ運河庁は、財政の打撃を抑えるべく、矢継ぎ早の通行料改定に踏み切っている。かつては安定した外貨獲得源だった運河収入だが、安全上の懸念から回航を選ぶ海運会社が増えたことで、その前提は大きく崩れた。
スエズ運河庁は一部の船種に対してインセンティブや割引率を提示する一方で、特定の大規模コンテナ船や油槽船に対する基本料金を調整するなど、苦しい舵取りを余儀なくされている。強気な値上げ姿勢と急な割引制度の変更が交錯する現状は、利用側の海運会社にとって予測不可能なコスト要因となって重くのしかかる。