実写化にあたり、ストーリー構成には数多くの現代的アップデートが施されました。単なるビジュアルの実写再現にとどまらない、アニメ原作との違いにおける重要ポイントは以下の通りです。
まず最も大きな変化は、アリエルとエリック王子の結びつきの理由です。アニメ版では「声が出ない美女と、命を救われた王子」という一目惚れの側面が強調されていましたが、実写版では「異なる世界への強い探究心」「自分たちのコミュニティに閉塞感を感じている孤独」という共通の価値観を通じて、対等な人間として互いに惹かれ合っていく過程が丁寧に描写されました。言葉を交わせない3日間の交流シーンが大幅に拡充され、二人が収集品を通じて知的なコミュニケーションを深める演出が加わっています。
さらに、クライマックスの戦闘シーンにおいても決定的な改変が行われました。アニメ版では巨大化したアースラにとどめを刺したのはエリック王子でしたが、実写版ではアリエル自身が難破船の舵を握り、アースラを打ち破るという展開に変更されています。自らの運命を他人に委ねるのではなく、自らの手で愛する者と未来を切り拓くという、現代のプリンセス像にふさわしい主体的な結末へと昇華されました。