覚醒剤「炙り」の危険な実態とは?捜査最前線と法改正の闇を追う

覚醒剤「炙り」の危険な実態とは?捜査最前線と法改正の闇を追う

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事態の深刻さは、公的な統計データにもはっきりと刻まれている。警察庁がまとめた薬物情勢の分析によると、覚醒剤事犯における検挙件数のうち、従来の大半を占めていた静脈注射による使用事例に対し、加熱吸入いわゆる「炙り」による検挙割合が近年目立って高水準を維持している。摘発された現場からは、焦げ跡のついたアルミ片や改造されたガラスパイプが相次いで押収された。

押収物の成分分析を担う科学捜査研究所(科捜研)の元幹部は、「炙り」という手法の極めて高い危険性を指摘する。「加熱によって成分が一度気化するため、一回の吸入で肺の膨大な表面積から毛細血管へと一気に薬物が流入する。脳に届く速度はわずか数秒。この激しいフラッシュ感が、強烈な精神的依存を短期間で形成する」という。血管を傷つけないという外見上の印象とは裏腹に、心筋梗塞や急性精神病状態を引き起こすリスクは極めて高い。

鈴木 陽菜
著者

鈴木 陽菜

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