札幌文化芸術劇場 hitaruの客席は、ヨーロッパの伝統的な馬蹄形オペラハウスの意匠を取り入れた4層バルコニー構造です。ステージと客席の一体感を高める設計が施されていますが、座席の階層や配置によって鑑賞視界や音の伝わり方に明確な特徴が存在します。
まず1階席(1,250席)は、ステージからの距離が最も近く、演者の息遣いや細かな表情、舞台演出の迫力をダイレクトに体感できるメインフロアです。前方はフラットに近い緩やかな傾斜ですが、中通路以降(15列目前後〜)は段差がしっかり確保されており、前列の頭被りを軽減する配慮がなされています。ただし、最前列付近はオーケストラピット使用時や舞台の高さによって見上げる角度がきつくなる点に留意が必要です。
2階席(398席)および3階席(327席)は、舞台全体をバランスよく見渡せる設計です。特に2階席のセンターブロックは舞台全体の一体感と照明演出を俯瞰できるため、熱心な舞台ファンやリピーターから「最も見やすく音が綺麗にまとまる特等席」として高く評価されています。
そして4階席(327席)は、劇場最上階に位置するため舞台を見下ろす強めの傾斜がついています。空間の開放感と舞台美術の全景を楽しめる一方、ステージ上の人物はかなり小さく見えるため、表情を追うには8〜10倍程度の防振・高倍率オペラグラスが欠かせません。
音響面では、クラシックやオペラの上演を前提とした残響設計がベースにあり、豊かな響きを誇ります。ポップスやロック系の拡声音響(PA)を伴うライブでは、上層階や壁際において低音の反響バランスに好みが分かれる場面があるものの、総じてクリアで伸びやかなアコースティック特性を備えていると評価されています。