ネット上の一部では、「豊川稲荷東京別院は怖いくらい縁が切れる」「安易に近づくと人間関係が崩壊する」といった不穏な噂が飛び交っています。この噂の発信源となっているのが、境内の奥にひっそりと鎮座する「叶稲荷(かのういなり)」です。
しかし、豊川稲荷東京別院における叶稲荷の縁切りの真相を突き詰めると、世間にはびこるおどろおどろしい呪詛の類とは完全に一線を画しています。叶稲荷が司るのは、男女の痴情のもつれを強引に断ち切るような破壊的な縁切りではありません。公式の縁起や僧侶の説話が示す本義は「因縁除け」であり、人を不幸へと引きずり込む悪癖(浪費、飲酒、ギャンブル)、不毛な執着、病気、さらには自身の心に巣食う邪念といった「前進を阻む悪縁」を絶ち切ることにあります。悪縁という濁った水を抜くことで、初めて良縁という清らかな水を注ぎ込むスペースが生まれる――これこそが叶稲荷の真価です。
また、対人関係の調整という文脈において、知る人ぞ知る高い支持を集めているのが「男帯守(おとこおびまもり)」と「女帯守(おんなおびまもり)」です。この男帯守・女帯守の具体的な効果は、良縁成就や夫婦・パートナー間の絆の強化だけにとどまりません。「自分にとって有害な異性を遠ざける」「執着やストーカー気質の人物からの干渉をブロックする」という強力な境界線設定(バウンダリー)の守護としても受け継がれています。人間関係に悩む現代人が、自らの尊厳を守り抜くための象徴としてこれらの帯守を身につけるケースが目立っています。