日本におけるマクドナルドの歴史を紐解くうえで欠かせない重要人物が、日本マクドナルド株式会社の創業者である藤田田(ふじた・でん)だ。米国の創業者レイ・クロックが率いるマクドナルドコーポレーションから日本での展開権を獲得した藤田は、本国が推進していた郊外型店舗の出店案を固辞。あえてトレンドの発信地である東京・銀座の一等地に第1号店を構える賭けに出た。
「歩行者天国でハンバーガーをかぶりつく」という新たなライフスタイルを提示した藤田の目論見は見事に的中する。銀ブラを楽しむ若者たちの間でハンバーガーは瞬く間にスタイリッシュなトレンドとして定着した。当時、マクドナルドコーポレーションの幹部らは郊外型店舗にこだわっていたが、日本の都市構造と消費者心理を熟知していた藤田の英断こそが、その後の日本における急速なチェーン拡大の基盤を創り上げた。