ホテルパールシティ神戸の営業終了には、単一の要因ではなく複数の構造的な課題が重なっていました。全国展開するホテルマネージメントインターナショナル(HMIホテルグループ)が下した決断の背景には、ホテル業界全体を取り巻く厳しい事業環境の変化が存在します。
第1の要因は、1980年代から続く建物の経年劣化と大規模修繕コストの増大です。開業から30年以上が経過し、客室の水回りや空調設備、耐震・省エネ基準への適合など、抜本的なリニューアルには数十億円規模の投資が必要と試算されていました。
第2の要因は、2020年以降の需要構造の急激な変化です。ポートアイランド内のホテル需要を支えていた神戸国際展示場の見本市や学会、ワールド記念ホールの大型コンサートが軒並み中止・延期となり、稼働率が一時的に危機的な水準まで落ち込みました。
第3の要因として、HMIグループ全体の資産ポートフォリオ再編が挙げられます。同社は採算性の見直しを進めており、老朽化した直営施設の維持よりも、成長性の高いリゾートや都市型ハイスペックホテルへの経営資源集中を選択した形です。