見た目が類似しているため混同されがちな「ドーナツ」「揚げパン」とマラサダですが、食品科学的なアプローチや製法を比較すると、生地の配合と食感に明確な構造差が存在します。
ドーナツは大きく分けて、ベーキングパウダーで膨らませる密度の高い「ケーキドーナツ」と、イーストで膨らませる「イーストドーナツ」の2種があります。一方のマラサダは、強力粉をベースに多めの卵、バター、そしてエバミルク(無糖練乳)をふんだんに配合し、限界まで水分量を高めたイースト生地を長時間発酵させます。中央に穴を開けずに球状のまま揚げるため、生地内部の水分が油熱でしっかりと蒸気となり、外皮は薄くサクッと、内側は空気をたっぷり含んだ「ふわふわ・もちもち」の独特な弾力に仕上がります。
また、日本の学校給食でおなじみの「揚げパン」は、あらかじめ焼き上げられたコッペパンを短時間油にくぐらせて調味するのに対し、マラサダは生のパン生地そのものを油でじっくり揚げるという根本的な違いがあります。