大谷選手の食事を語る上で、ファンの間で長年都市伝説のように語り継がれてきたのが「パスタに塩だけをかけて食べていた」という噂です。この極端なエピソードは、果たして事実なのでしょうか。
結論から言えば、この噂は「日本ハム時代からメジャー初期にかけて、実際に本人が実践していた事実」です。当時の特番インタビューや同僚選手の証言によると、大谷選手は「味を楽しむためではなく、筋肉と体を動かすためのガソリン補給」として食事を捉えていた時期がありました。市販のパスタソースに含まれる過剰な脂質や糖質、添加物を徹底的に嫌い、炭水化物を純粋に摂取する目的で、茹でたパスタに少量の塩やオリーブオイルだけを振って機械のように胃に流し込んでいたのです。
また、もう一つの象徴的なこだわりが「ゆで卵」の存在です。大谷選手はかつて、1日に十数個もの卵を消費し、特に白身部分を中心に摂取して余分な脂質をカットしながらタンパク質を補給していました。血液検査で自身の体質に合う食材・合わない食材を精密にスクリーニングした結果、一時期は卵の摂取量を調整するなど、単なる根性論ではない科学的アプローチを取り入れています。
現在の食生活では、調味料を一切拒絶するような極端な制限は緩和されています。味覚の満足感が精神的なリラックスをもたらし、結果として自律神経を整えて副交感神経を優位にするという「メンタルリカバリーの重要性」を経験から学んだためです。「塩だけパスタ」は、大谷翔平という怪物が自らの肉体を実験台にして限界を突き詰めた、求道者時代の貴重な通過点だったといえます。