まぶたの裏の色調や体調に変化を感じた際、市販薬や食事の改善で様子を見て良いケースと、直ちに医療機関へ駆け込むべきケースの境界線はどこにあるのでしょうか。専門的な見地から、明確な行動判断基準を提示します。
【直ちに医療機関(内科・血液内科・婦人科)を受診すべき人の条件】
・まぶたの裏をめくった際、手前も奥も全体が一様に白く、境界線が消失している人
・爪の中央が凹んでいる(スプーン爪)、または爪が割れやすく薄くなっている人
・少しの階段や坂道で激しい動悸や息切れが起こり、脈拍が異常に速い人
・黒い便(タール便)が出た、あるいは血便の自覚がある人(即座に消化器内科へ)
・月経時の出血量が極端に多く、昼でも夜用ナプキンが1〜2時間で漏れる人(婦人科へ)
・成人男性、または閉経後の女性で立ちくらみやまぶたの白さに気づいた人
【食事改善や生活習慣の見直しから始めても良い人の条件】
・まぶたの裏の縁に鮮やかな赤みがあり、奥側とのコントラストが保たれている人
・最近の健康診断でヘモグロビン値およびフェリチン値が正常範囲内であった人
・一時的な寝不足や過労による立ちくらみであり、休息によって速やかに回復する人
受診先として最も適しているのは、まずは窓口の広い「一般内科」です。血液検査でヘモグロビン、血清鉄、フェリチン(要確認)を測定し、貧血の種類を判別します。重度の血液疾患が疑われる場合は「血液内科」へ、子宮筋腫など過多月経が疑われる場合は「婦人科」へ、消化管出血が疑われる場合は「消化器内科」への紹介・連携が行われます。
医療機関での治療と並行して、あるいは予防として取り組むべき「貧血改善のための鉄分摂取」においては、栄養素の吸収率を意識した食事戦略が不可欠です。鉄分には、動物性食品に多く吸収率が約15〜25%と高い「ヘム鉄」と、植物性食品に多く吸収率が2〜5%にとどまる「非ヘム鉄」があります。
・ヘム鉄を多く含む食材:豚レバー・鶏レバー、牛赤身肉、カツオ、マグロ赤身、アサリ
・非ヘム鉄を多く含む食材:小松菜、ほうれん草、ひじき、大豆製品、納豆
非ヘム鉄を摂取する場合は、鉄の還元を促して吸収率を飛躍的に高めるビタミンC(ブロッコリー、パプリカ、キウイなど)や、動物性タンパク質と一緒に組み合わせることが鉄則です。一方で、緑茶やコーヒーに含まれるタンニンは鉄の吸収を阻害するため、食事中や食後30分以内の大量摂取は控えるのが賢明です。