昭和から平成、そして令和へと時代が移り変わるなかで、猫の平均寿命推移は劇的な右肩上がりを続けてきました。1980年代前半、外飼いが一般的だった時代の猫の寿命は10歳前後に過ぎませんでした。しかし、ペットフード協会の最新調査データによれば、現在の猫全体の平均寿命は15.8〜16.2歳にまで伸長しています。
ここで極めて重要な差異として浮かび上がるのが、飼育形態による格差です。室内飼い猫の寿命最新データを精査すると、完全室内で暮らす猫の平均寿命が約16.5歳であるのに対し、散歩や自由外出を許されている猫の平均寿命は約13.5歳に留まります。実に3年近くもの生存格差が生じている計算です。
このデータが物語る完全室内飼育と寿命の真相は極めて明確です。外に出る猫の命を縮めている主因は、交通事故死の危険だけではありません。猫白血病ウイルス(FeLV)や猫エイズ(FIV)といった不治の感染症罹患、マダニ媒介性疾患、縄張り争いによる外傷性化膿症、さらには縄張りを防衛し続けることによる慢性的なコルチゾール(ストレスホルモン)の分泌過多が、内臓組織をじわじわと摩耗させている現実があります。「外に出られないのは可哀想」という人間の情緒的な思い込みが、結果として猫から3年以上の余命を奪っているという現実は、直視しなければならないエビデンスです。