サヘラントロプス・チャデンシスの真相!最古の人類と二足歩行の謎

サヘラントロプス・チャデンシスの真相!最古の人類と二足歩行の謎

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サヘラントロプス・チャデンシスの発見は、人類古生物学の歴史において最も過酷で、劇的なフィールドワークの賜物でした。発見の舞台となったのは、中央アフリカに位置するチャド共和国北部のジュラブ砂漠(Djourab Desert)に広がるトロス・メナラ(Toros-Menalla)地区です。

フランスの古人類学者ミシェル・ブリュネ(Michel Brunet)教授(ポワチエ大学/コレージュ・ド・フランス)率いる「フランス・チャド合同古人類学調査隊(MPFT)」は、砂嵐が吹き荒れ気温が50度を超える極限環境の中で、25年以上にわたり発掘調査を継続していました。そして2001年7月19日、チャド人研究員のアフンタ・ジマドゥマルボエ(Ahounta Djimdoumalbaye)氏によって、風化した砂岩の中からほぼ完全な形状を保った頭蓋骨化石(標本番号:TM 266-01-60-1)が発見されたのです。

ブリュネ教授は当時の手記や特番インタビューの中で、「砂から頭頂部が露出した瞬間、それが類人猿ではなく、人類の夜明けを告げる決定的なピースであると直感した」と述懐しています。この化石は、チャドのダザ語で「乾季直前に生まれた子供(過酷な環境を生き抜く命の希望)」を意味する「トゥーマイ(Toumaï)」という愛称で呼ばれるようになり、2002年7月の英科学誌『Nature』に論文が掲載されるや否や、世界的な大ニュースとして報じられました。

サヘラントロプス・チャデンシスの生息年代は、共産した脊椎動物化石の生層位学的解析、およびベリリウム同位体(10Be/9Be)を用いた放射年代測定法によって、約700万〜680万年前(新生代中新世末期)と特定されました。この年代は、分子生物学的なDNA変異解析が導き出した「ヒト系統とチンパンジー系統が共通祖先から枝分かれした年代(約700万〜800万年前)」と驚くほど完全に合致していたのです。

吉田 誠
著者

吉田 誠

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