今回の独占取材で厨房に迎え入れてくれたのは、ブランドの精神的支柱であるオーナーシェフ・パティシエだ。早朝4時、静まりかえった作業場でシェフはすでに粉をふるい、発酵バターの温度をコンマ数度単位で管理していた。最高峰スイーツと称される所以は、徹底的に計算された「水分量と温度変化の科学」にあるという。
今回特別に明かされた秘伝レシピの核心は、生地の寝かせ時間と焼き上がりの蒸らし工程のバランスにある。「同じレシピで作っても、その日の湿度や気温で生地の表情は一瞬で変わる。素材と対話すること以外に近道はない」とシェフは語る。長年の経験と研ぎ澄まされた感性が導き出す一瞬の見極めこそが、誰も真似できない極上の口溶けを生み出していたのだ。