ネット上で「商用フリー」と表記されていれば、どのような用途にでも自由に使えると信じ込んでいるクリエイターは少なくありません。しかし、人物写真の取り扱いには、著作権とは別の「肖像権」という巨大な法的境界線が存在します。
第一の盲点は、「モデルリリース(肖像権使用許諾書)」の不備です。一部の海外系無料素材共有サイトでは、投稿者がモデル本人から商用利用の許諾を得ていないまま写真をアップロードしている事例が報告されています。これを企業が自社のプロモーションに無断使用した場合、写真に写っている本人から差し止め請求や損害賠償を求められるリスクがあります。
第二の盲点は、センシティブコンテンツへの利用制限です。規約上商用フリーとされていても、多くのプラットフォームでは「美容医療・整形」「成人向けサービス」「マッチングアプリ」「消費者金融」「特定の病症・薄毛などの悩み広告」への人物写真利用を厳しく禁止しています。モデルの名誉や人格権を侵害する文脈での使用は、規約違反にとどまらず民事訴訟へと発展する典型例です。
第三の盲点は、2026年における生成AI画像の権利関係の曖昧さです。実在する特定のインフルエンサーや著名人の顔立ちに酷似したAI生成OL画像を使用した場合、パブリシティ権の侵害に問われる判例が国内外で積み上がりつつあります。「実在しない人物だから安全」という安易な思い込みは、現代のコンプライアンス基準では通用しません。