準決勝において、決勝進出を果たした組と涙をのんだ組を分けた決定打は何だったのでしょうか。会場の爆笑度、GYAO!配信における視聴者の熱量、そしてプロの審査員が下した評価を照らし合わせると、明確な「時代の分水嶺」が浮かび上がってきます。
当時、最大のトピックとなったのが霜降り明星 M-1 2018 準決勝ネタの爆発力でした。せいやのトリッキーかつ躍動感あふれるボケに対し、粗品が鋭い言葉の刃を正確無比に突き刺す超高速漫才は、客席の笑いのボルテージを完全に一段階引き上げました。従来の「フリからオチまでを丁寧に積み上げる関西漫才」の文脈を解体し、一秒あたりの笑いの密度を極限まで高めたスピード感が、審査員に鮮烈な新世代の到来を印象づけたのです。
一方、高評価を得ながらも涙をのんだコンビには、M-1 2018 準決勝 落選コンビ理由として「完成度の高さゆえの既視感」という残酷な壁が立ちはだかりました。例えば、前年ファイナリストのマヂカルラブリーや実力派のアキナは、確かな技術で爆笑を奪ったものの、審査基準が「過去の自分たちを超えているか」「新時代の熱狂を生み出せるか」という極めて高いハードルに設定されていたため、わずかな差で競り落とされる結果となりました。
さらに、王道の極致を見せつけた和牛 M-1 2018 準決勝評判は非常に高く、水田信二の緻密な屁理屈と川西賢志郎の卓越した受け技は「もはや芸術の域」と評されて危なげなく決勝を決めました。つまり、この年の準決勝を突破する条件は、「円熟味を極めた完璧な職人芸」か、「既存の漫才観を破壊する圧倒的な新奇性」のどちらかに振り切れていることだったと言えます。