日本の既製服におけるサイズ設計の拠り所となっているのが、経済産業省が管轄する日本産業規格(JIS L 4005「成人女子衣料のサイズ」)です。一般的な婦人服で広く採用されている標準体型(AR体型:バストとヒップの差が平均的なバランス)の基準値を確認すると、11号と13号の間にある厳密な寸法差が浮かび上がってきます。
多くのアパレルメーカーが採用するグレーディング(サイズ拡大・縮小処理)では、号数が1つ上がるごとに「バスト・ウエストは約3cmピッチ」で均等に大きくなるよう設定されています。以下の表は、JIS規格の基礎データと、2026年現在の大手アパレル・スーツ各社の仕立て上がり寸法を統合した詳細比較です。
バスト・ウエスト・ヒップの寸法差はわずか2〜3cm。数字だけを見ると「ほんのわずかな違い」と感じるかもしれません。しかし、立体的な人体の周囲に布を巻きつける構造上、全周で3cm広がることは、直径ベースで約1cm弱の空間的な余裕が前後に生まれることを意味します。この空間の有無が、見た目のシルエットと動作時の快適性を劇的に左右するのです。