サージカルステンレスとは?錆びない理由とデメリットの真相を徹底検証

サージカルステンレスとは?錆びない理由とデメリットの真相を徹底検証

サージカルステンレスとは?錆びない理由とデメリットの真相を徹底検証について専門的な視点から解説いたします。専門家の見解をご覧ください。

優れた特性を持つサージカルステンレスですが、決して万能ではありません。購入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないために、サージカルステンレスデメリットの真相を客観的に把握しておく必要があります。

最大のデメリットは、「購入後のサイズ直しや修理が極めて困難」という点です。融点が約1400℃以上と非常に高く、硬度も高いため、一般的なジュエリー工房のバーナーでは溶接(ロー付け)ができません。特に指輪(リング)の場合、体重の増減や指のむくみでサイズが合わなくなってもリサイズを受け付けてもらえないケースがほとんどです。購入時の正確なサイズ計測が必須となります。

もう一つの頻出する疑問が、「サージカルステンレス磁石反応の有無」です。ネットの掲示板や知恵袋などでは「磁石についたから偽物だ」「本物の316Lは非磁性のはずだ」という書き込みが散見されます。しかし、金属工学の観点から言えば、この認識は半分正しく、半分誤りです。

316Lは本来「オーステナイト系」と呼ばれる非磁性の組織構造を持っています。しかし、ネックレスの細いチェーンを編み込んだり、ピアスのポストを圧延成形したりする「冷間加工(塑性加工)」を加えると、金属内部の結晶構造が一部「マルテンサイト系」へと相変態を起こします。この加工誘起マルテンサイトの存在により、本物の316Lであっても加工部分に弱い磁性が生じ、強力なネオジム磁石などに反応する現象は工学的に極めて正常です。「磁石に少し引き寄せられたから偽物」と即断するのは科学的な誤謬と言えます。

松本 悠斗
著者

松本 悠斗

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。